挨拶
地域の「かかりつけ医」としての想い
ここ船橋市に縁あって、JR下総中山・京成中山両駅近くに歯科医院を開院したのは1993年のこと。以来、日々の診療を地道に行い、30余年が経ちました。おかげさまで近隣地域の皆様にはおなじみの歯科医院となり、多くの患者様にご信頼をいただいて大変感謝しております。 当院は、開院当初からの診療方針として、「なるべく歯を抜かない」「健康な歯を削らない」「痛みの少ない治療」というスローガンを掲げ、それをできる限り実行してまいりました。この3つは、いまでこそ多くの歯科医師がアピールするようになりましたが、私が開業したころの歯科医院といえば、患者様の希望をあまり尊重することはなく、歯を抜いたり、あるいは大きく削って詰め物、被せ物をしたりするような処置がよくありがちな状況でした。しかも、治療の際にはかなり痛みも伴っていたことでしょう。そんな歯科治療がまかり通っていた時代があったのは事実です。 もちろん、当時は機器や技術、歯学の知識が現在ほど充実していたわけではなく、歯科治療といえばそれが常識だったのかもしれません。それでも、当院は「抜かない」「削らない」「痛みの少ない」という方針を守るために、さまざま治療法を探り、工夫し、実践することで、少しでも患者様のお口の現状を、そして未来の状況がより良い方向に向かうよう努めてまいりました。この方針は現在もまったく変わっておりません。
入れ歯を得意分野として、最後まで責任をもって診療
「入れ歯」については、この30年の間に私の心境や診療環境自体が大きく変化しました。私は若いころ、補綴（ほてつ／歯が欠けたりなくなったりした場合に、被せ物や入れ歯などの人工物で補うこと）はどちらかというとあまり得意な分野ではありませんでした。しかし、入れ歯にトラブルを抱えて来院される多くの患者様に接するうちに、より機能的で使いやすい入れ歯で患者様の要望に応えたいという気持ちが湧き上がってきました。入れ歯について真剣に取り組み、そうして少しずつ知識や技術を身に付け、また経験を積んでいった結果、いまでは自信をもって満足度の高い入れ歯とそのための治療を提供できるようになったと自負しています。 私はもともと物事にこだわる性分で、あるいはあきらめの悪いところがあったためか、入れ歯はもとより、歯科治療に関するスキルを追求し続けるのは苦になりませんでした。その結果、多くの患者様に納得いただける技術や知識を培うことができ、それに喜びと誇りを感じています。 私が入れ歯にこだわるのは、もう一つ理由があります。それは、30年余年にわたって地域の皆様のお口を診てきたなかで、一度診療した患者様に対しての責任、そして最後まで全うすべきという自覚と覚悟が生まれたからです。とりわけ、入れ歯については、1回作ったらそれで終わりではないということです。 患者様のお口や体調、そのほかの環境や生活状況の変化に応じて、調整や修理を重ね、可能な限り最後まで責任をもって対応することが、主治医としての責任であると考えています。それは、自分の治療に責任が持てなければ治療すべきではないという、すべての医療人にとっての基本的な戒めでもあるといえます。
「知ってもらうこと」が大事――患者様とのコミュニケーションを通じて
私が歯科医師として最も大事な仕事だと思っているのは、治療以外では、患者様に「知ってもらうこと」です。入れ歯でもそのほかの治療でも、患者様のお口の現状を把握し、そこからどんな治療へと進むか、またその方法の詳細など、さらに治療後の将来のお口の状態の見通しといった一連の情報を患者様に正確に伝え、ちゃんと把握してもらうことがとても重要と考えます。 というのも、当然ながら患者様は一般的に歯科医療について詳しいわけではありません。ですから、歯科医師が一から説明しても、実際には理解できていないことが多いでしょう。近年はインターネットなどで簡単に情報が入手できますが、真の理解にはなかなか到達し得ないのではないでしょうか。私はなるべくわかりやすく説明いたしますが、それでも実感が湧かなかったり、この先どうなっていくのか予測できなかったりと、そんな経験をお持ちの患者様が多いことを理解しています。これでは真の意味での「インフォームド・コンセント」には及ばないのです。 そこで、当院では、一方的な診療提案や情報提供ではなく、時間をかけた丁寧な説明はもちろんのこと、どの程度の内容を理解してもらえたか確認すること、そして掘り下げた説明を繰り返すこと、いわば歯科医師と患者様との十分なコミュニケーションにより、知識を深める段階まで到達することを目指しています。患者様自身が治療法やお口の状態に対する正確な知識を得ることで、より安心して診療を受けることができるはずだからです。もちろん、それでもわからないこと、疑問や不安に思う点があれば、歯科医師に遠慮なく投げかけていただければと思います。 長年の実績と患者様に真摯に向き合う姿勢。最後に、この2点を当院の特徴として付け加え、今後も安心してかかれる歯科医院を実践してまいります。ご自身、そしてご家族の皆様のお口の健康のことは、どうぞお気軽にご相談ください。
院長 萩原維生紀（はぎわらいぶき）
経歴
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日本大学松戸歯学部卒
卒後、同大保存修復学教室在籍
埼玉県・千葉県にて保険診療中心の歯科医院に勤務
東京都にて審美治療中心の歯科医院に勤務 - 千葉県船橋市にて開業
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現在
松戸歯学部付属歯科病院・う蝕抑制審美治療学教室在籍 - 船橋歯科医師会会員
- 塚田小学校 校医
- わたぐも保育園 嘱託医
- うみかぜ保育園 嘱託医
