歯周病・歯肉炎

歯周病は日本人の約65%がなると言われています。
手遅れになる前に歯周病治療を!

歯周病の進行

歯周病はこのように
進行していきます。

歯周病菌カビ菌
①歯茎にカビがつき、根を張ることで炎症を引き起こします。

①歯茎にカビがつき、根を張ることで炎症を引き起こします。
症状としては、口臭・口腔内のネバネバ感。

②炎症が起こることにより歯茎が腫れてしまい、歯と歯茎の間の溝が汚れやすくなり、カビが奥で炎症を起こします。

②炎症が起こることにより歯茎が腫れてしまい、歯と歯茎の間の溝が汚れやすくなり、カビが奥で炎症を起こします。
症状としては、歯茎が赤くなり、時々出血を伴います。

③歯と歯茎の間に隙間ができます。その隙間は歯周ポケットといい、ポケットに歯周病の菌が溜まり炎症を更に悪化させ、骨を溶かしていきます。

③歯と歯茎の間に隙間ができます。その隙間は歯周ポケットといい、ポケットに歯周病の菌が溜まり炎症を更に悪化させ、骨を溶かしていきます。
症状としては、歯茎の炎症腫れ、赤みの悪化などがあります。

④歯周ポケットが更に深くなり、たくさんの菌が溜まっていき、骨を溶かしていきます。

④歯周ポケットが更に深くなり、たくさんの菌が溜まっていき、骨を溶かしていきます。
症状としては、歯茎を押すと膿が出てきます。

⑤骨が溶けることにより歯周ポケットはますます深くになり、多くの菌が溜まっていきます。

⑤骨が溶けることにより歯周ポケットはますます深くになり、多くの菌が溜まっていきます。
症状としては、口臭の悪化や出血歯がグラグラする噛むと痛みがある膿が出る歯茎が腫れるなど。

⑥ここまでくると歯の周りの骨はなくなり、グラグラと動くようになるため抜かなければいけない状態です。

⑥ここまでくると歯の周りの骨はなくなり、グラグラと動くようになるため抜かなければいけない状態です。
症状としては、痛みが酷く歯の揺れがあるためしっかりとものを噛むことができず、歯茎が常に腫れています。

歯周内科治療の治療方法

この治療方法の大きなポイントは4つ。
① 菌の確認を位相差顕微鏡で行う。
② 細菌除去をするための薬剤を内服する。
③ カビを除去するための薬剤の使用あるいはカビ取り歯磨き剤を使用しての歯磨き。
④ 除菌後の歯石取り。

この④つのポイントの中で、最も大きなポイントが①になります。
お薬の選択をするために、歯周病菌の有無、カビの多さ、もしくはキレイさを位相差顕微鏡で確認しなければなりません。

細菌の除去薬剤

細菌の除去薬剤

細菌の除去薬剤

カビの除去薬剤とカビ取り歯磨き剤は種類が豊富です。

カビの除去薬剤とカビ取り歯磨き剤は種類が豊富です。

位相差顕微鏡検査

位相差顕微鏡検査

顕微鏡検査を行う方々の大半は、歯周病菌やカビ菌をお持ちです。 顕微鏡検査では、患者様のお口の中の汚れを採取し、観察します。 顕微鏡で検査することで、現在の菌の状態を確認することができるだけでなく、歯周病になりやすいのかどうかや現状の把握、今後の状態などを知ることができます。 また、治療効果については顕微鏡で映しだした動画像を拡大表示機能を用いて、わかりやすくご説明させていただきます。

感染経路・再発を予防するには

●感染経路
実は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には歯周病菌は存在していません。
では、なぜ歯周病菌が今お口の中に存在しているかというと、それは人からの感染です。現在も、家族や友人間でうつしあっている状態にあるかもしれません。

家族や友人間での回し飲みや回し食べ、箸の使い回し、キスやくしゃみなどにより菌が感染するとされています。菌が口内に入ってくると、お口の中に定着し、歯周病を発症するリスクが生じるということです。

最も気をつけてほしいことは、性感染です。
せっかく歯周病を治しても、パートナーからうつされては、治療をした意味がありません。歯周病のリスクを回避するためには、パートナーの方も一緒に治療なさることをおすすめします。

●再発を予防するには
カビ菌とは口腔内常在菌のことをいい、誰のお口の中にも必ずいる菌になります。
どんなに徹底的に治療しても、空気中や食べ物、手や指などを介して、再び口内へ戻ってきてしまうため、全滅させることは不可能な菌です。

そのため、毎日の歯磨きと合わせ歯科医院で定期的なプロフェッショナルクリーニングが必要となります。カビ菌が増殖することで、歯茎が腫れるなどの悪影響がでてきます。
また、歯周病菌の快適な住処となる菌なので、治していた歯周病菌に再感染したりします。

定期的に歯科医院へ通い、歯周病菌への再感染の有無やカビ菌の増殖の有無などを顕微鏡で確認し、カビ菌が増殖しないよう
専用の器具を用いてクリーニングを行う必要があります。

感染経路・再発を予防するには

義歯
義歯を使用している方は、義歯にもカビ菌がついてしまいます。
そのため、義歯の清掃も大変重要となってきます。

虫歯
カビ菌が関与するのは、歯周病だけではありません。
カビ菌は口腔内で酸を出すため、その周りにある歯を溶かし、そこから虫歯を作ってしまいます。

タバコ
使用する薬は、白血球を通して運んでくれる薬になるため、タバコを吸うと歯茎の血管が収縮してしまい、白血球が減少することで、薬の効果が悪くなります。
また、タバコを吸う方は、吸わない方に比べ歯周病になるリスクが高く、治りにくいということがわかっています。

全身疾患との関係

近年、菌が全身疾患に大きく関与しているということがわかり、医師の間でも問題となってきています。
カビ菌が肺に入ると肺炎になってしまいます。歯周病により出血してしまうと、そこから血管内へ歯周病菌が入りこみ、心臓で炎症を起こす危険性があります。現に、歯周病を患っている人が心臓病になる確率は、かかっていない方に比べ2~3倍にあがります。その他にも、高血圧や糖尿病、早産や食道癌などへも繋がる危険性があるとされています。

全身疾患との関係01

口内の細菌は肺の病気に関係しています。
口内にある菌が、気管を通って肺に入り込み、肺炎を引き起こすことがあります。人の体は、食べ物を飲み込む際に、喉頭蓋という気管が、気管や肺へ異物が入らないよう蓋をする仕組みになっています。この反射は年令を重ねるごとに低下するため、お年寄りの方が肺炎になりやすい原因の一つといえます。

口内の細菌は血管に関する病気に関係しています。
動脈硬化症や冠動脈疾患になる原因の一つとして、口内の細菌が挙げられます。
血液中に入り込んだ歯周病菌が血管壁に感染してしまうと、防御反応が起こり、それにより作られたメディエーターにより動脈硬化を引き起こします。
また、歯周病菌の作用により塊となった血小板が、冠動脈をつまらせてしまい、狭心症や心筋梗塞などを引き起こす場合もあります。

口内の細菌は心臓の病気に関係しています。
血管に入った細菌が、心臓の内膜に入り込むことで、炎症をおこす場合があります。
心臓の弁に障害のかる方や人工弁を入れている方など、血液の流れをスムーズに行えない方に多く起こります。

口内の細菌は糖尿病に関係しています。
口内にある細菌は血液中に流れこむことで、TNFαという物質をつくります。
TNFαは、血液の中にある糖の濃度をコントロールするインシュリンの働きを阻害してしまいます。

口内の細菌が低体重児出産(早産)に関係しています。
歯周病菌の成分である内毒素が免疫担当細胞を刺激することで、プロスタグランジンTNFαという物質を作り出します。
この物質は、低体重児出産の原因の一つとしてあげられています。

全身疾患との関係02

歯肉炎

歯肉炎(歯周ポケット 2~3mm)

歯肉炎(歯周ポケット 2~3mm)

歯と歯茎の間にある歯肉の溝に歯垢が溜まり、歯肉が炎症を起こし腫れることで歯肉ポケットができます。まだこの時点では、歯根膜や歯槽骨は破壊されていない状態です。

軽度歯肉炎(歯肉ポケット 3~5mm)

軽度歯肉炎(歯肉ポケット 3~5mm)

歯肉の腫れが大きくなることで、歯肉ポケットが広がり歯垢や歯石が溜まりやすくなります。 それにより、歯周病菌が歯周組織に侵食し、歯槽骨や歯根膜が破壊されはじめます。

中度歯肉炎(歯肉ポケット 4~7mm)

中度歯肉炎(歯肉ポケット 4~7mm)

歯肉の炎症が更に拡大、歯周ポケットも深くなり、歯槽骨も歯根の半分近くまで破壊され、歯がグラグラ動きます。

重度歯肉炎(歯肉ポケット 6mm以上)

重度歯肉炎(歯肉ポケット 6mm以上)

歯槽骨が半分以上破壊され、歯はグラグラと動き、物も噛みづらく、いつ抜け落ちてもおかしくない状態です。